
「八日目の蝉」
2011年/日本/原作:角田光代、監督:成島出、脚本:奥寺佐渡子
出演:永作博美、井上真央、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、
市川実和子、平田満、劇団ひとり、余貴美子、田中泯、風吹ジュン
NHKのドラマ版も観たけど、映画の方が原作の雰囲気やイメージに合っていて
すごく良かった。どの登場人物(女性陣)にも共感できて、痛々しくて。
永作博美はすっかりお母さんの顔(童顔だけど)。すごく綺麗だった。
子役の女の子と顔立ちや雰囲気が似ていて、また2人の波長が合っていて、
本当の親子のように見えるから、2人のやり取りがすごく切ない。
子役の女の子も可愛かったなぁ。。。笑ったり拗ねたりの演技がすごく上手い。
井上真央もすごく頑張ってた。原作の薫(恵理菜)そのものという感じ。
ああいう怒ったような無表情な感じの顔や泣き顔がよく似合う。
あと小池栄子。少し挙動不審な感じの目の動きや猫背でどこか硬い感じの佇まい
の演技はさすが。彼女の出自を後半まで明かさなかったのも映画的には良かった。
あと冒頭のシーンが森口瑤子なのは効果的で良かった。このシーンがあるから
他の主役たちの存在がまた際立ってくる。本当の被害者は彼女のはずなのに
作品の中では悪役的に、かなり強烈なキャラクターとなっている。
ダンナに不倫されて(子どもまで作って)、そして不倫相手に自分の子どもを誘拐
されたあげく、帰ってきた子どもとはうまく関係を築けず、マスコミにも騒がれ、、、。
「奥さん」としては気の毒だけど、でも「母」としては虐待やもんな。
一番悪いのは男共なんやけどね。なぜあんな男に惚れてしまうのか、みたいな
ことを言い出しても仕方ないのでやめとく。
あと、原作では描かれていなかったけど知りたい、見たいと思っていたシーンも
描かれていて良かった。やっぱり印象的なのは写真館のシーン。
田中泯の独特の、そして異質の存在感。そして主役2人を繋ぐ大事な役どころ。
最後のシーンもすごく良かったし、泣けた。
(原作通りだけど)妊娠中なのに薫(恵理菜)はお酒をたくさん飲んでるし、
「どうやって愛していいか分からない!」いうセリフはリアル。
あんな育ちをしてきたら絶対そうなってしまうもんな。
少しずつ子どもの頃の記憶を取り戻していく展開、演出はすごいなと思う。
母性、愛情についてすごく考えさせられ、また心を揺さぶられる作品。